羽田空港に大規模な航空宇宙科学博物館を設立する構想が進んでいる。
構想は、日本を代表する航空宇宙博物館の必要性、同空港沖合展開跡地の有効活用、文化的ニーズへの対応と日本の高い科学技術を内外に伝えることの重要性を受けて、業界関係組織・団体で構成する「羽田航空宇宙科学館推進会議」が推進するもの。設立目的に、航空宇宙の歴史・技術・資料の収集・展示・調査研究のほか、同分野における国際的な人・物・情報の交流、将来の人材の養成などを掲げる。
計画によると同博物館は「本格的な国家レベル」(同会議)の施設で、アメリカのスミソニアン航空宇宙博物館やフランスのル・ブルージェ航空博物館と同規模にしたいという。計画地を羽田空港沖合展開跡地とし、既存の建造物の再利用も検討する。展示コンセプトには、特色の探求・最高水準の教育機器・羽田空港の意義など6項目を挙げる。
同会議は1988年の発足以来(当時は航空関係者・ジャーナリストらによる「羽田航空宇宙科学館設立準備会」)、構想実現に向けて署名・陳情・シンポジウム開催・出版物刊行などさまざまな活動を続けている。昨年には大田区議会へ陳情も行い、同区が今月発表した同跡地利用の独自提案では「導入する機能・施設例」の一つに「航空産業博物館」が挙げられた。
また、同会議は2002年より毎年、日本の航空の歴史や技術を展示する内容の「ミニ羽田航空宇宙科学館」を開催。7回目となる今年は9月7日の「空の日フェスティバル」に合わせて開設予定で、テーマは日本のヘリコプター時代を作った名機「ベル47」。同機の写真や模型などの紹介を予定している。会場は同空港第1旅客ターミナル6階シリウスの間。開場時間は10時~16時。
同空港の再拡張・国際化が進展する中、同会議では引き続き構想実現に向けた活動を積極的に展開していく。(取材協力=みんなの空港新聞)