羽田空港~天王洲~秋葉原間で現在、「第4次舟運社会実験」が行われている。
新たな水上交通の可能性を模索する取り組みとして行われる同実験。ニーズやマーケットを背景にして採算性や利用者動向を確認し、最終的には天王洲地区を経由して羽田空港と秋葉原間をつなぎ、毎日運航することを目指す。
前回の実験では、第4次社会実験を実験全体の集大成にするため、公募で参画した5つの運航事業者が多様なコースで実験を展開した。天候の影響を受けながらも、延べ31日で111便が運航。乗船参加者は1800人を超え、集客のための期間設定や広報・プロモーション方法も乗船者数を大きく左右する要素であることが、あらためて明確になったという。
第4次舟運社会実験では前回の改善点を踏まえながら、「ジール」「船清」「ガレオン・JTB国内旅行企画」「東京ウォータウェイズ・ぽけかる倶楽部・三越伊勢丹旅行」「ケーエムシーコーポレーション・羽田旅客サービス・JTB国内旅行企画」が運航会社を担当。
日本橋船着場から、九段下(千代田区役所船着場)、水道橋(市兵衛河岸船着場)、秋葉原(和泉橋船着場または万世橋船着場)、天王洲(天王洲ピア)、五反田(ふれあい広場桟橋)、羽田空港(空港船着場または天空橋船着場)、横浜(キリン桟橋)などの航路を運航する。
国土交通省総合政策局公共事業企画調整課の武藤徹さんは今後の動向について、「実験ではこれまで延べ3カ月間運航し、4000人以上の方に乗船いただいたことで、舟運へのニーズを確認することができたため集大成と位置付けた、都心と各地を結ぶ新たな定期航路の可能性を検証する今回の実験をきっかけに、新たな航路が生まれることを期待したい」と話す。