中央区の築地市場の移転先として2015年度に江東区豊洲に開業する新市場の敷地内に、年間420万人の来場を見込む一般向けの大型観光施設がオープンする。
東京都中央卸売市場が2月19日に発表した事業概要によると、新施設「千客万来施設」は、現在の築地の「市場ならではの『にぎわい』を継承・発展させ、豊洲ならではの活気・にぎわいを創出する」のが目的。延べ床面積は計約1万9900坪で、「食の魅力の発信」「観光客を引き付ける」「市場関係者の活性化に貢献」の3つの機能を備えるものになる。
具体的には約140の専門店舗が集積する「『豊洲』場外市場」、1000席を準備するフードコート「まんぷく市場」、日本と世界の調理器具を販売する「調理器具市場」、日本の伝統ものづくりの技術の紹介・体験施設「匠いちばん市場」などを展開。地上7階地下1階の独立棟には東京湾岸エリアの眺望を楽しめる首都圏最大級の「温浴施設」が開業。市場関係者向けの託児所やクリニックなどの設置も予定する。事業は民設民営のスタイルとなり、主な事業者は喜代村(代表企業)・大和ハウス工業。
完成は2015年度中で、新市場本体施設と同時開業を目指す。同エリアは2020年の東京五輪・パラリンピックの競技施設や選手村などが集結する地区に隣接していることから、五輪開催に向けて訪日外国人旅行者の人気観光スポットとなることも期待されている。