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「羽田水素ステーション」のCO2でトマト栽培-燃料電池車向け実証実験の一環

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 東京ガス(港区)は今月より、燃料電池自動車向け「羽田水素ステーション」(大田区京浜島)で回収したCO2を、千葉大学が運営する「農林水産省植物工場千葉大学拠点」(千葉県柏市)に向けて供給を開始した。トマト栽培に使用する。

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 「羽田水素ステーション」は燃料電池車にエネルギー源の水素を供給する施設。同社が昨年10月、地域水素供給インフラ技術・社会実証事業の一環として羽田空港に隣接にする京浜島にオープンした。現在、ターミナルに乗り入れる空港バスの燃料電池車両などが利用している。

 水素ステーションで都市ガスから水素を製造する際に発生するCO2の活用は、同社と同大学の共同研究。東京ガスが「水素ステーション」でCO2を回収・液化し、160キロのボンベに詰めて同植物工場に運搬する。工場では敷地面積約300坪の栽培施設のトマトに気化したCO2を与える。植物の光合成・成長速度はCO2濃度に比例して高まる性質があることから、研究ではトマトに与えるCO2濃度を高めることによって年間収量の増加や甘み・品質の向上を期待するほか、コストの検討なども行う。供給量は毎月ボンベ2本・約320キロを予定。植物工場でCO2有効利用する試みは今回が世界で初めてだという。

 一般道路での燃料電池車の実証事業は、羽田空港乗り入れの空港バスのほか、成田空港~都心間の高速バスとハイヤーサービスなどにも導入されている。

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