国土交通省は9月30日、日本とオーストラリアによる航空輸送の自由化「オープンスカイ」の実現を目指す協議が合意し、羽田空港の発着枠などの設定を認めたと発表した。
今回の合意により深夜早朝時間帯における羽田空港とオーストラリアを結ぶ路線の枠組み、2013年夏季に予定される成田空港の発着枠27万回化のタイミングでの成田空港関連路線のオープンスカイ実現、首都圏空港以外の空港からの輸送における「以遠権」の自由化などが認められた。
羽田空港発着の新路線については深夜早朝時間帯(23時~翌朝6時)に使用されていない他路線の発着枠を有効活用するかたちで実現する。「以遠権」の自由化では、相手国で旅客・貨物を載せ自国を経由して第三国へ輸送する路線設定などが可能になる。
日本と世界各国とのオープンスカイを目指す航空協議は、政府による新成長戦略に基づくもの。これまでに東アジア・ASEAN諸国・アメリカ・カナダなどとの間で協議が続けられており、完全自由化の合意や合意予定の確認などが行われている。オーストラリアとのオープンスカイ合意・羽田発着枠開設については、同国系のLCC(格安航空会社)が積極的に日本路線を拡大することなどからも、オーストラリア政府などは旅客数の大幅な増加に期待を寄せている。