国土交通省は7月15日、日本とマカオ(中華人民共和国澳門特別行政区)による航空協議が合意し、2地域間の路線枠を成田空港を軸に拡充すると発表。羽田空港の発着枠の設定は見送った。
同協議は両地域の航空自由化「オープンスカイ」の実現を目指すもの。合意により、2012年夏季の成田路線の現行週3便から7便への増便、さらに2013年夏季に予定される成田空港の発着枠27万回化のタイミングでの同空港関連路線における両国間輸送の自由化が実現する。また、すでに自由化されている首都圏空港以外の空港からの輸送における「以遠権」の自由化も認めた。
同省航空局によると羽田空港発着の新路線枠について合意がなかったのは、現時点でマカオ側からの要望が特になかったためだという。日本とマカオを結ぶ航空需要は近年、拡大が続いており、2007年に9000人だった輸送実績(旅客数)は2010年には6万8000人に急増。より柔軟な旅程の実現に向けて旅行業界にも羽田発着路線の開設を望む声もあるが、当局は当面の航空座席の需給バランスを羽田空港以外の路線で対応する考えだ。両地域間には現在、エア・マカオが週8便を運航する(一部減便あり)。