2020年夏の東京オリンピック・パラリンピックの招致に向けて、国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員は3月6日、臨海エリアの競技会場の一つである東京ビッグサイト(東京国際展示場、江東区有明3)を視察した。
クレイグ・リーディーIOC副会長をはじめとする17人の評価委員が4日から続けている競技会場予定地などの視察の一環。これまでに訪れた「有明テニスの森」「東京体育館」「東京国際フォーラム」などに続くもので、現地では五輪競技のユニフォームを着た小学生や琴の演奏などによる歓迎に続き、猪瀬直樹東京都知事やレスリングの五輪メダリストの吉田沙保里さん・伊調馨さん、フェンシング五輪メダリストの太田雄貴さんらが同席する中、会場説明のプレゼンテーションが行われた。猪瀬都知事はプレゼンテーション終了後、評価委員の視察について「(一連の視察を)すべてオンタイムで行うことができ、大会を時間通りに運営できることを示せた。『コンパクトなオリンピック』を理解してもらえたと思う」とコメントした。
計画によると2020年の東京大会は「世界で最も先進的で安全な都市の中心で開催」をビジョンの一つに掲げ、晴海地区(中央区)から半径8キロメートル圏内に全体の85%(東京都内の33競技会場の28会場)を配置する「非常にコンパクトな大会」を目指す。競技会場の大半は有明地区(江東区)を中心にした臨海エリアに集中。同日の視察対象の「東京ビッグサイト」はレスリング・フェンシング・テコンドーなどの競技会場となり、隣接地域の既存・新設・仮設の施設でも陸上・水泳・海上競技が多彩に繰り広げられる予定。
IOC評価委員の調査は7日まで。都内のホテルを拠点に大会開催と運営に関連する各分野の詳細のプレゼンテーションを受け、最終選考に向けた評価をまとめる。期間中にIOCによる「開催支持率」が東京で70%と発表されたことも併せて、高評価に「手応えを感じる」と語る関係者とアスリートは多い。評価委員の開催都市の視察は立候補3都市のうち、東京が最初。今後、イスタンブールとマドリードを訪れる。開催地の決定は9月7日(日本時間8日)。