羽田空港で整備が進められていた新施設「羽田空港船着場」(英語名称=Haneda Airport Wharf)が11月30日、完成した。今後、国際空港の水上交通アクセスの拠点として活用される。
船着き場の位置は国際線ターミナルから北西に約300メートル離れた多摩川左岸。三愛石油が昨年10月のD滑走路供用開始まで使用していたタンカーバース(桟橋)を日本空港ビルデングが譲り受け、一般船舶が発着できるように整備した。桟橋の全長は168メートルで、乗降場所は2カ所。最大で全長約30メートルまでの船が接岸でき、約10メートルの船であれば2艘(そう)同時に接岸できる。
今年5月に着工し、1期工事が完了した7月以降は遊覧クルージングや防災訓練などでの使用を開始していた。8月以降に行われた2期工事で待合室施設(約24坪)など総面積約339坪の陸上部が整備され、一連の工事が全て完了した。
新施設は今後、遊覧クルージングなどの観光交流と振興、地域振興、災害時における水上輸送ルート確保などの防災・緊急時対策などに向けて有効活用していく。整備を進めた日本空港ビルデングの担当者によると、具体的な旅客サービスとしては東京湾クルージング・屋形船の発着、東京ベイエリアの拠点を結ぶ定期航路の開設などを想定するという。