国土交通省は7月21日、10月の羽田空港再拡張・国際化に向けた地上交通アクセスの利便性向上についての方向性を取りまとめた。
同省航空局・関東運輸局が交通事業者や空港ビル会社などとともに進めてきた、輸送機関ごとの「国際線の利用者ニーズに合わせた利便性と快適性の向上」と「深夜早朝時間帯の航空機の発着に対応した交通アクセス手段の確保」に関する検討と調整の状況を報告するもの。
主な内容は次のとおり。
鉄道・モノレール関係では国際線利用者の利便性・快適性の向上に向け、京急電鉄と東京モノレールが10月21日の国際線旅客ターミナルビルの供用開始に合わせ新駅を開業。大型化する荷物にも対応できるようカートの改札内への進入に対応し、4カ国語(日英中韓)案内の充実を図る。国際線と国内線を乗り継ぎ客にはターミナル間移動での鉄道利用を無料にする。深夜早朝時間のアクセスについては、京急が5月15日のダイヤ改正で列車を増発し、東京モノレールが始発時間の繰り上げなどを検討中であることを盛り込んでいる。
バスについては、既存国内線ターミナルに乗り入れている路線は原則としてすべて新国際線地区に乗り入れる。乗り場や案内板のわかりやすさに配慮し、深夜早朝時間帯の航空機運航に対応できるよう新規運航や始発繰り上げ・終発繰り下げを検討する。
タクシーは国際線利用者の増加を念頭に「外国人旅客向けの優良なサービスの提供」に取り組む。タクシー業界などが共同で乗り場での接客サービス向上や外国語での案内などに対応するほか、ドライバーが講習などを受け「一定のホスピタリティー・レベルの保有者」であることを表示する車体ステッカーも導入。24時間体制でのサービス提供の指導・誘導も行う。
報告の最後には、レンタカーとカーシェアリングに関する情報も盛り込み、外国人旅客に向けた外国語でのサービスの拡充や営業時間の延長の検討などについて記述している。
同省では10月までに、再拡張・国際化による羽田空港の「量的・質的な機能の大幅な向上」に対応する交通アクセスの総合的な整備と調整をさらに進めていきたい考え。