東京海洋大学(港区)と東邦大学(理学部、千葉県船橋市)の合同チームは羽田空港沖合の東京湾で8月5日、水質と生物などの環境調査を実施した。
東京湾再生推進会議モニタリング分科会らが周辺の自治体や大学・研究機関と共に2008年より毎年実施する「東京湾水質一斉調査」の一環。同調査は、流域住民らの東京湾再生への関心の醸成を図り、東京湾とその関係する陸域の水質環境の把握と汚濁メカニズムを解明するのが目的。赤潮・青潮・貧酸素水塊が発生する夏季に東京湾の海域406地点と陸域369地点でほぼ一斉に行い、溶存酸素量・化学的酸素要求量・水温・塩分・透度などを調べる。
合同チームが羽田空港沖合で行った調査は、採泥機を使用して3カ所の測点で実施。水質に加えてベントス(二枚貝・ゴカイ類、カニ類などの底生生物)の調査も行った。ベントス調査は両大学が水質一斉調査以前より独自に実施していたものを今回初めて同時に実施。環境の影響を受けやすい海生生物のデータとして水質と共に分析を行う。多摩川河口に昨年完成した羽田空港海上滑走路の環境への影響については別途調査されているが、東邦大学広報担当者によると、今回の調査データについては海上滑走路の環境の影響とも合わせ、より精度の高い分析を行うという。
調査結果は9月ごろに速報値が発表される。最終結果の発表時期は未定。