東京モノレール(港区)は羽田空港内の天空橋駅と新整備場駅間の約900メートルの線路を4月10日から11日未明にかけ、従来の位置から最大で約250メートル空港島内側に移設。11日始発より全列車を新ルートで運行している。
今年10月の同空港の再拡張・国際化に合わせて、モノレール車両が国際線旅客ターミナルに新設する「羽田空港国際線ビル」(大田区羽田空港2)に停車できるようにするための線路の切り替え。37の橋脚を含む新軌道の設置は、新ターミナルと新駅の建設合わせて昨年より進められていた。
同日は午後より昭和島駅~羽田空港第2ビル駅間を運休し、切り替え部分の「けた」の撤去、新しい「けた」の設置、電車線の取り付けなどがスケジュールに沿って行われた。15時ごろに重機により従来の線路から最初の「けた」が撤去され空中につり上げられた様子は、関係者だけでなく近隣住民と鉄道ファンら約50人も見守った。大田区から工事を見学に訪れたという30代の男性は「慣れ親しんだモノレールの線路が取り外されるのは寂しいが、羽田空港国際化が近づいていることを実感できる」と話していた。
同社担当者によると列車を運休して行う大規模な作業は、現在の第1旅客ターミナルビルが完成した1993年以来。一昼夜での上下の線路の切り替えという大規模で複雑な工事は「恐らくこれが最初で最後」とも。
新ターミナルが開業する10月までは、すべての列車は新駅を通過する。