羽田空港からは現在、国際線が「定期チャーター便」としてソウル・上海・香港・北京に就航しているが、ソウルと上海については発着がそれぞれ主要国際空港より都心に近い国内線専用の金浦空港と虹橋空港になっており、そのアクセスの良さから日帰り出張者など時間に制約のある旅行者に人気だ。
ソウル市内から金浦空港の距離は約17キロ、一方の仁川空港は約50キロ。上海中心部から虹橋空港へは約15キロ、浦東空港へは約30キロ。都心と羽田空港間は約15キロ、成田空港との距離は約60キロ。国内線空港への地上交通の所要時間が主要国際空港の半分以下になる場合も多い。いずれの都市でも「業務や旅程の効率化を図れることは明らか」(同路線利用客)。
またソウル・金浦空港と上海・虹橋空港の間にも定期国際路線が就航していることから、これら2空港と羽田空港をそれぞれ結ぶ3路線を「東アジアのビジネストライアングル」と呼ぶ利用者もいる。
3都市の国内線空港を結ぶ路線開設の構想は2007年、日中韓の外相らによる航空・エネルギー安保・環境・投資分野での相互協力の合意に盛り込まれ、実現した。「人的、物的交流を拡大する」という目的通り、3路線の利用率はいずれも「コンスタントに高い」(大手航空会社)。本来国内線専用の金浦・虹橋空港に就航する国際線は現在、「トライアングル路線」のみ。羽田空港関係者によると、今年10月の同空港の国際化以降は、同2路線を「定期便」に格上げして継続する予定だという。