再拡張・国際化を静かに待つグッドデザイン賞「トンネル」-羽田空港の国際線地区近く

ライトアップされた「東京国際空港アクセストンネル」 写真提供=ティーケーデザインフォース一級建築士事務所 ©Kurihara

ライトアップされた「東京国際空港アクセストンネル」 写真提供=ティーケーデザインフォース一級建築士事務所 ©Kurihara

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 羽田空港にグッドデザイン賞を受賞した道路トンネルがある。

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 環状8号線方面と第2旅客ターミナルを結ぶ空港内一般道路がA滑走路の下を通る、車専用の「東京国際空港アクセストンネル」で、全長約1キロメートル。

 同トンネルは、2005年度のグッドデザイン賞(建築・環境デザイン部門/環境デザイン)を受賞している。全体的にはシンプルなデザインで構成しながら、両開口部を空港と街に対する「インターフェース」と位置づけ、太陽光を採り入れるルーバーとタイムプログラムを用いたライトアップの演出装置を採用する。設計に当たったティーケーデザインフォース一級建築士事務所によると、「多くの必要な機能性を高い次元で満たしたデザイン」だという。

 光を効果的に採り入れる設計ではあるが現在は、空港運用全体における環境対策やコスト対策などから残念ながらライトアップ装置は稼働していない。同事務所代表の高野修嗣さんは「空港という公共施設であることから、環境への配慮やコストの制約などにより照明がフルに点灯されない可能性もあると考えていた。国際空港では設備や施設のデザインは国や都市の顔になる。訪問者に良いファーストインプレッションを与えるためにも今後、空港デザインへの意識が高まることを期待し、また設計者として新たな挑戦を続けていきたい」と話す。

 同トンネルのすぐ近くの国際線地区では現在、2010年10月の同空港再拡張・国際化の中核施設の一つとなる国際線ターミナルなどの建設が進められており、最新技術とデザインを結集した新空港設備に内外の注目が集まっている。東京空港事務所は同トンネルについて、「将来、空港運用全体の環境や状況が整えば演出照明の稼働再開を検討する可能性もある」と話す。

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