お台場エリアで1月29日、防犯パトロールとランニングを融合したランニングイベントが開かれた。
ガンダム立像前で「パトラン」ポーズを決める「パトランナー」たち
主催は防犯パトロールとランニングを掛け合わせた犯罪抑止の活動として、2013年から走るパトロール活動を行う「パトラン」。子どもや女性が安心して暮らせる地域社会の実現を目標に掲げ、福岡県宗像市で活動を開始し、九州、栃木、千葉など全国21の都道府県で展開している。
同活動に参加する「パトランナー」たちは、帰路につく女性や塾帰りの子どもが被害にあいやすい駅や塾周辺を走りながらパトロールする「夜間パトロール」や、子どもの下校時間に合わせて行う「日中帯パトロール」をはじめ、ランニング時の清掃活動や性犯罪抑止のための啓発活動など、多角的な取り組みを行っている。
今回は「お台場 合同パトラン」として、首都圏で活躍するパトランナーが集結。初参加の市民ランナーら合わせて15人の参加者が、国際展示場やお台場海浜公園、レインボーブリッジなどを含む10キロ超のコースを走行した。犯罪が起こりそうな場所や危険因子がないかを探りながら、目につくゴミを拾ったり、すれ違う人々にあいさつをしたりするなどして東京ベイエリアの治安向上や環境美化に取り組んだ。
初参加の大学生、浦野愛莉さんは「自身の健康維持につながるだけでなく、地域の安全やそこに住む人々のために貢献できたり、普段交流する機会の少ない世代の人たちとも出会うことができたりするのは有意義な時間だった。今回の参加を機に、同世代の人たちとも一緒に楽しみながら地域の安全について考えていきたい」と話す。
板橋エリアで活動する主催者の一人、渡部信隆さんは「見慣れている何気ない街並みに身を置いていると、危険に対する意識が下がってしまうことがよくある。そのような環境の中、『Patrol Running』という文字が書かれた赤い服の「パトランナー」たちの背中を見てもらうことで、街行く人たちの危険意識や防犯意識の向上につながれば」と話す。同じく主催者の一人で、日光エリアで活動をするTaka Numaさんは「今回、楽しみながら終始笑顔で走る参加者の姿を見て、あらためて意義ある活動だと実感できた。これからも全国的な呼びかけを続け、一人でも多くの人に『パトラン』を体験してもらい、素晴らしさを伝えていきたい。そして、お台場を今以上に、安心・安全・きれいな場所にしていきたい」と意気込む。
同活動は「地域の安全づくり」のみならず、参加者への「健康づくりと防犯意識の向上」や、人のつながりが希薄化する現代における「活動を通じた仲間づくり」など、一石三鳥の効果があるという。
関東エリア合同のパトランはお台場のほか浅草、皇居周辺、横浜などで不定期開催。次回のお台場は4月9日に開催する予定。