羽田空港国際線発着枠、1.5倍へ-3月末、ターミナル大規模増築も準備整う

羽田空港国際線旅客ターミナルに新設された「サテライト」部分の搭乗ゲート。

羽田空港国際線旅客ターミナルに新設された「サテライト」部分の搭乗ゲート。

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 羽田空港の国際線発着枠が3月30日、現行の1.5倍の年間9万回に拡大する。これに伴う国際線旅客ターミナル(大田区羽田空港2)の増築工事も現在までにほぼ完了し、大規模な空港機能拡大の準備が整いつつある。

羽田空港国際線旅客ターミナルに新設された「サテライト」の外観。右手後方は旧管制塔。

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 2010年に再国際化した同空港の国際線の発着枠は現在、年間6万回で、近距離の東アジア路線以外は昼間時間帯(6時~23時)の運航は認められていなかった。同日の昼間時間帯発着枠の倍増では長距離路線も原則的に時間帯の制約なく就航が可能になり、同日から始まる夏期スケジュールでは、航空各社がフランクフルト・パリ・ロンドン・バンクーバーなどの欧米路線やシンガポール・ジャカルタ・バンコクなどの中長距離の開設・増便・深夜早朝時間からのスケジュール変更を予定する。

 2012年11月より進められている国際線旅客ターミナルビルの増築工事もほぼ完了している。現行のターミナルビルの北西端部分が延長され、駐機スペースなどだった場所に新たに「サテライト」が建設された。拡張後の国際線旅客ターミナルビルは延べ床面積が現行の約1.5倍となる約7万1000坪に、搭乗手続きカウンターは現在の96ポジションから144ポジションに、それぞれ拡張。航空機の駐機スポットも10スポットから18スポットに増える。現在の1カ所の保安検査場も2カ所になる。

 8つの搭乗ゲートを備える「サテライト」は長さ約500メートルの巨大なコンコースで、ほぼ全方向がガラス張りの構造が印象的だ。搭乗ゲートからは空港内に駐機する航空機や国内ターミナルのエリアを間近に見られるほか、天気が良ければ富士山や東京スカイツリーを遠望できる。

 新たに設置される制限区域内の商業ゾーンは本館の増築部分に集積する。免税店ほかユニクロ・書店・フードコートなど8店舗が出店を予定。フードコートは8つの飲食店が展開する予定で、24時間営業となる。本館の増築部には、乗り継ぎ旅客が入国手続きをせずに利用できる「トランジットホテル」の機能を併せ持つ宿泊施設「ロイヤルパークホテル ザ 羽田」が開業する。地上8階建てで客室は全315室(内「トランジットホテル」向けは17室)。9月末の営業開始を予定し、7月より予約受け付けを開始する。

 国際線旅客ターミナルビルの拡張に合わせて、隣接する駐車場も7階から9階に増床され約3000台を収容可能になる。

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