羽田空港の再拡張・国際化事業における建設工事を進める東京空港整備事務所(国土交通省関東地方整備局)は6月25日、大田区産業プラザ(大田区南蒲田1)で「東京国際空港建設技術報告会」を開催した。
同報告会は同空港D滑走路や国際線地区など、現時点ですでに完成まで98%まで達しているとされる大規模空港工事における建設技術の内容と進ちょくを関係者と一般に向けて公開報告するもの。2006年9月の第1回より半年ごとに開催しており、今回で9回目を迎えた。
内容は海上滑走路や国際線エプロンなどにおける各装置の設計・施工、埋め立て部の舗装技術、大規模工事の管理システム、鉄道アクセスの改善などに関する9つの専門性の高い報告で、各プレゼンターがスライドや写真を用いてのべ3時間半にわたって解説し、それぞれ活発な質疑応答も行われた。
参加者は同事務所のホームページなどを通じて事前に応募した定員の300人。応募対象に条件を設定していないことから、官公庁関係者・建設業界のエンジニア・学生・一般などから、幅広い参加があった。同事務所担当者によると、すべての工事は8月末で完工を迎えるため実質的な『技術報告』は今回が最後で、12月に予定する次回の最終開催は講演会の形式となる予定だという。これまでの開催については、「空港建設という大規模事業の技術情報を定期的に外部の専門家や興味のある人々と共有し、その内容を相互に確認する機会は重要」とその意義を振り返った。
同空港の新滑走路・国際線地区のターミナルビルなどは10月21日に供用を開始することが決まっている。