羽田空港で10月9日より開催されているデジタルパブリックアート展「DIGITAL PUBLIC ART IN HANEDA AIRPORT 『空気の港』~テクノロジー×空気で感じる新しい世界~」の作品の一つ「出発の星座」に、最先端の高輝度LED3,000個と制御技術が使用されている。
同イベントはデジタル技術と空間芸術を融合させた大規模なメディアアート展。日本空港ビルデング(大田区羽田空港3)と東京大学「デジタルパブリックアートを創出する技術」プロジェクト(目黒区)が共同で開催する。「出発の星座」は同展で展示される19の作品の一つで、ターミナルの天井に設置したLEDで星空や飛行機などを描く。
同システムに使用される高輝度LED(発光ダイオード)3,000個は、アバゴ・テクノロジー(目黒区)が無償提供した。光束出力が高く、業界最高クラスの効率性と頑強なデザインなどを特徴とするカスタムモデルだという。同社によると、同作品ではそれらのLEDの点滅・スクロールを250ヘルツの高速でリアルタイムに遠隔制御する。また、「粒子型ディスプレイ技術」を活用することで、まばらに設置したLEDでも、視覚系の残像現象により鑑賞者の目に移動する飛行機のシルエットなどの高精細な情報を伝えることができるという。
LEDが描く星空は同ターミナルビルの建設以前に同地で見えていたものを再現する。飛行機は同空港の発着情報に連動するもので、約3分に1回、実際の飛行機が出発するのと同じタイミングで実際の離陸と同じ進行方向にLEDの飛行機が飛び立っていく。
同社は今回のアートプロジェクトに協力することで、同社の光学設計の実績を一般に告知し、さらにLEDの普及につなぐことで照明エネルギーの環境負荷低減に貢献していきたいとしている。
展示は11月3日まで。