羽田空港D滑走路、海面下の施工ほぼ完了-埋め立て・桟橋「接続部」

羽田空港D滑走路埋立部の南端の護岸内部。桟橋部に面する左側に「スリット柱」が並ぶ。

羽田空港D滑走路埋立部の南端の護岸内部。桟橋部に面する左側に「スリット柱」が並ぶ。

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 2010年10月の供用開始に向けて進められている羽田空港のD滑走路建設工事の海面下の施工がほぼ完了し、5月28日、埋め立て側と桟橋側の「接続部」の一部が報道陣に公開された。

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 D滑走路は同空港の4本目の滑走路で、再拡張・国際化の中核を担う設備の一つ。現空港の沖合約620メートルの東京湾に建設される海上滑走路で、長さは2,500メートル。約3分の1が多摩川河口の環境への影響を低減する桟橋形式となる。

 公開されたのは埋め立て部南端にある桟橋部との接続部分の護岸内部で、完成時には底面は水没し、上部空間も滑走路面にふさがれて外部からは見えなくなる場所。同護岸の特徴の一つは「スリット柱」と呼ばれる等間隔に設置した直径1.2メートル・長さ約13メートルの柱列で、その「スリット」(すきま)により桟橋部側からの波の反射が低減し、桟橋部の耐久性の向上と小型船舶への影響の軽減がもたらされるという。埋め立てと桟橋を組み合わせた「ハイブリッド構造」の接続部における重要な装置となる。国土交通省東京空港整備事務所によると同部分の施工は現在、「最盛期」を迎えており、今年8月に完了する予定。

 同事務所によると5月14日現在、滑走路工事全体は工程の約65%が完成し、埋め立て部・桟橋部・連絡誘導路部すべての施工は順調だという。既に埋め立て部・桟橋部はほぼ完成時の外郭が海上に現れており、同空港を発着する航空機からは新滑走路の全体像を目視することができる。工事は引き続き、24時間365日の昼夜連続施工の態勢で進められる。

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