羽田空港に近い川崎市の京浜臨海部で2014年5月より、「バイオマス発電所」の建設が始まる。
昭和シェル石油(港区台場2)が、旧京浜製油所扇町工場跡地(川崎市川崎区扇町)に計画する次世代火力発電所で、「木質バイオマス(植物などの有機物)」を燃料として30万メガワット時の電力供給を目指す。
電力事業を石油事業・太陽電池事業に続く第三の柱とする同社の事業規模拡大と「発電源メニュー拡充」の具体策。国が定めた「再生可能エネルギー固定価格買取制度」や後背地に首都圏の大消費地がある点、燃料となる木質バイオマスの海上輸送に適した京浜理解部の優位な立地条件などから、建設を決めた。「バイオマスという環境にやさしい燃料を使用したクリーンな発電により、逼迫(ひっぱく)する国内電力需給の緩和に貢献する」(同社)。
使用燃料は木質ペレット・パームヤシ殻。発電出力は49メガワットで、発電量の約30万メガワット時は一般家庭約8万3000世帯の年間消費量に相当するという。同規模は国内最大級。
同臨海工業地域では、同社が天然ガス利用の火力発電所「扇島パワーステーション」を操業するほか、川崎市と東京電力が国内最大規模の「メガソーラー(太陽光発電所)」を稼働。発電事業が集積している。
首都圏のバイオマス発電所は大田区内の2カ所に続くもの。新発電所の稼働開始は2015年12月を予定。