地域住民が描いたアートを携えフランスへ-アーティスト吉田重信さん

ワークショップで作品を描く参加者の子どもたち 写真=多摩川アートラインプロジェクト

ワークショップで作品を描く参加者の子どもたち 写真=多摩川アートラインプロジェクト

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 アーティストの吉田重信さんが現在、東急多摩川線武蔵新田駅近くの新田神社(大田区矢口1)で地域住民らが描いたアート作品をフランスの展覧会会場に展示する準備を進めている。

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 作品は2月に開催された現代アートによるまちづくり活動「多摩川アートラインプロジェクト」のワークショップ「光の鳥プロジェクト」の参加者が描いたもの。会場となった同神社は650年以上の歴史を持つ。同プロジェクト実行委員会が「伝統のある神社を会場にすることで、地域の『歴史』をフランスに伝えることができる」と選んだ。

 ワークショップには地域の子ども・大人・親子連れら約30人が参加。吉田さんとともに、はがきに自由にイラストやメッセージを描いた。和やかで落ち着いた雰囲気の中、保護者として来場した人が途中参加し、夢中で作品を描く光景も見られたという。

 吉田さんは「多摩川アートラインプロジェクト」の活動として2007年11月、同線の蒲田駅構内の窓をステンドグラスのように彩るアート作品「INFINITY LIGHT」を制作している。参加者らは吉田さんを「(普段から見慣れている)蒲田駅のアートを作った人」として親しみを持って接したという。

 すべてのはがきの作品は吉田さんが南フランス・オラン-ジュに運び、今月20日より、現地で展示準備を始める。展覧会終了後にはフランスからあらかじめ書かれたあて先に向けて投函される予定で、その多くは同地域に舞い戻ってくることになる。「長い距離を『移動』することも作品の一部」(実行委員会担当者)。

 現代アートを軸にしたまちづくりの取り組みは、着実に住民の間に浸透しているようだ。

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