品川・大田地域観光まちづくり推進協議会が昨年10月に制作した「しながわ大田観光マップ」が、区境を越えた新しい観光促進のアプローチとして話題になっている。
同地図は折りたたまれたサイズがA4で、展開するとA1サイズの大判になる。表面には品川区と大田区の史跡・観光地・主要建造物などの見どころそれぞれ約100カ所を描いたイラストマップ、所要時間などのも併記する「お薦め」の散策コース、各地の写真などを掲載。裏面には国土地理院発行の2万5千分の1の地域の詳細地図を載せ、視覚的に楽しく実用的なデザインに仕上げている。
発行以来、地域の公共施設やイベント会場などで無料配布しており、「利用者に喜んでいただいている」(大田観光協会担当者)という。今後、よりコンパクトなサイズの新バージョンの発行も予定し、地域内にある羽田空港の国際化による外国人旅行者の増加を念頭に、英語の地域情報を加える準備も進めている。
同協議会は「しながわ観光協会」と「大田観光協会」が、隣接する両区の観光促進活動を広範囲に共同で行うことを目的に都と両区の支援を受けて設置した。具体的な作業は「観光マップ」の発行が最初だが、現在、両地域をカバーする共同のホームページの制作やイベント企画なども進めているという。区境を超えた積極的な観光促進の手法に注目が集まる。