デルタ航空(DL、米)は7月31日、現在、成田国際空港に置くアジアの運航ハブ(拠点)の羽田空港への移管に強い意欲を表明した。
来日中の同社のリチャード・アンダーソンCEOが都内で開かれた記者会見でコメントした。CEOは「再国際化した羽田空港は都心に近い立地などから運航拠点として効率的で、同空港発着の国際線は多くの旅客の利便性の向上につながる」としながらも、現在の国際線発着枠の割り当てについては「日系航空会社が優遇され、同社を含む外国航空会社が成田空港での運航を余儀なくされている」と不満を述べ、「羽田発着枠の制限は日本政府の保護主義によるもので、それは究極的には日本の競争力を損なうことにつながる」と批判した。
同CEOは、同社が民間航空会社として戦後最も早く羽田空港に就航した(当時はノースウエスト航空)歴史にも触れ、羽田で25便(出発便)分の国際線発着枠を確保できれば、現在の成田空港のアジア太平洋地域の運航ハブ機能を全面的に「戻したい」とし、当局などへの要望を続ける意向を示した。
同社は現在、成田空港から北米とアジア・太平洋地域の都市へ1日約25便を、羽田空港からはシアトルとロサンゼルスへは1日2便を、それぞれ運航している。
羽田空港は2014年3月、昼間時間帯の国際線発着枠が年間3万回から6万回へ倍増し、国際線長距離路線にも発着枠を割り当てる予定。