4月8日に供用を開始する羽田空港国内線第2旅客ターミナルビルの増築部が3日、報道陣に公開された。
羽田空港第2ターミナル増築部に出店する本格立ち食いすし「又こい家」のカウンター
管理運営を行う日本空港ビルデング(大田区羽田空港3)が2004年のオープン以降、段階的に増築を進めている同ビル。今回の「南ピア3スポット増築部」完成は一連の増築工事の最終ステージとなる。新設される建造物(3階建て)の延べ床面積は約3176坪で、場所は同ビルの南端部分。2010年10月まで使用された「旧暫定国際線ターミナルビル」跡地に立つ。
新施設には、中に段差のないユニバーサルデザインのPBB(旅客搭乗橋)と新設計の優先席ベンチシートを導入しバリアフリーに対応するほか、LED照明のなどで二酸化炭素(CO2)の削減にも取り組む。商業施設には、販売店の「麻布かりんと 麻布十番あげもち屋」(営業時間=6時~20時)と、スタンディング形式の飲食店の「生そば・丼ぶり あずみ野」(同)とすしの「又こい家」(7時~20時)が出店する。
商業店舗に隣接する中央スペースには白を基調にした吹き抜けのフリーエリアを設置。日本の竹林に着想を得た自然光を大胆に取り入れ、30チャンネルの最新音響設備による高品質の環境演出を施す。利用者は9個の大型のスタンディング式のテーブルで、思い思いに食事やパソコン利用などができる。
同社の事業開発・運営本部統括部長の河合誠さんは「航空旅客に向けて空港会社ができることを考え、従来のターミナルとは違う方向性にチャレンジした」と最先端の独自の取り組みに自信を見せる。音楽コンテンツについては今後、「搭乗アナウンスなどと互いに干渉しないものを『デザイン』していく」とも。
今回の供用開始で第2旅客ターミナル固定スポット数は計23スポットとなり、第1旅客ターミナルの24スポットと同規模になる。増設される3つのスポット(航空機ゲート)の運用により、旅客搭乗橋(PBB)を使う航空便の比率が82%から88%に増加し、利便性が向上する。