新しい滑走路と国際線ターミナルの供用開始を翌日に控える羽田空港で10月20日夜、旧国際線ターミナルがすべての業務を終了し閉鎖した。
旧ターミナルは1998年に開業し、現在は2階建てで床面積が約2,900坪。開業当時は中華航空(台湾)が同空港唯一の国際線として台北便を運航していた。2002年に同航空は成田空港に移ったが、2003年より日本と各国の航空会社がソウル・金浦、上海・虹橋、香港、北京への「定期チャーター便」の運航を順次開始し、国内線専用空港・羽田の「国際化」の拠点となっていた。「暫定国際線ターミナル」と呼ばれ旅客サービス施設も限定的だったが12年の供用期間中、延べ約1,600万人が利用した。
出発の最終便となったANAの香港行きは163人の乗客を乗せ20時30分に出発。同社社員約25人が手を振って見送った。その後、到着の最終便としてANAのソウル・金浦からのフライトが到着し、当ターミナルでのすべての旅客業務は終了を迎えた。
同ターミナルで勤務していたANAの地上スタッフの1人は「手狭でお客様にご迷惑をかけたこともあったが、コンパクトさゆえの利便性の高いターミナルだった。職場として愛着があり、さみしい」と感慨深げに話していた。
出発ロビーなどでは最終便出発直後から搭乗手続きカウンターや保安設備の一部などの撤去作業が始まった。今後、同ターミナルは解体され、跡地は隣接する国内線第2ターミナルの増設部の敷地として使用される予定。