羽田空港の新旅客ターミナルなどの国際線施設の供用開始と国際定期便の運航開始を10月に控え、内外の航空会社が同空港に乗り入れる新路線のスケジュール・運賃などを発表している。
国際線の新定期路線は通常、日本と相手国との航空交渉の合意を受けて発着枠が割り当てられ、航空会社は発着枠を活用するかたちで運航スケジュールを申請し、認可を経て定期便を就航する。羽田国際化における航空交渉はこれまでに、2008年7月のマレーシアを皮切りに、アジアと欧米の12の国と地域と合意に至っている。
合意を受けて航空各社の就航準備も進んでおり、国内ではANAが6月、現在の定期チャーター便の定期便化を含め羽田からロサンゼルス・ホノルルなど9路線週98便の運航予定を発表。JALは7月1日、4月に発表済みのパリ、サンフランシスコなどの路線にシンガポール線を追加し、合計で10路線に就航することを決めた。両社とも、運航スケジュールや運賃なども順次発表している。
海外の航空会社ではシンガポール航空(シンガポール)が昨年11月にいち早く羽田就航を正式に伝えたほか、キャセイパシフィック航空(香港)も5月に羽田便運航の意向を表明している。具体的な運航スケジュールなどは、アメリカン航空など米3社が5月、米運輸省による路線認可を受けて順次具体的な計画を公表したほか、タイ国際航空が6月末にバンコク便の運航スケジュールの詳細を発表した。
羽田発着の国際線運航では、アジアの特定路線以外の発着が深夜・早朝時間帯に限定されるなど制約もあるが、各航空会社は引き続き運航計画の具体化を進め今後、就航に向けた準備を加速すると思われる。日本からの主要航空路線の相手国では中国との航空交渉が未合意。