羽田D滑走路建設工事、「環境への問題なし」-監視委員会が確認

建設が進む羽田空港D滑走路の桟橋部分(2010年3月撮影)

建設が進む羽田空港D滑走路の桟橋部分(2010年3月撮影)

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 東京空港整備事務所(国土交通省関東地方整備局、大田区羽田空港3)は3月23日、現空港島の沖合海上に建設中のD滑走路の工事において、環境への影響に「監査上の問題がない」ことを確認したと発表した。

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 同工事は「新設滑走路および飛行場施設の工事中における環境監視計画」基づいて設置された「環境監視委員会」が定期的に、建設工事が及ぼす環境変化の監視を行っている。委員長は清水誠東京大学名誉教授が務め、委員は古川恵太国土技術政策総合研究所・海洋環境研究室室長らの学識経験者と関係自治体で構成する。

 発表は、今月3日に開催された第5回委員会による2009年夏季~秋季の環境監視報告を公開したもの。報告によると同期間中、大気環境に関しては工事による影響は特に見られず、水環境についても埋立部に沿った潮流と一部の水域で流速に変化があるがいずれも地形的なものおよび気象条件などによるものの範囲内だった。水質に関しては「ほとんど影響がなかったと考えて問題ない」とされた。

 今後の対応について、委員側から「異常値の早期の発見に向けて監視体制を継続することが大切」との意見のほか、付着生物と底質の状況について同様の調査を実施すべきとのコメントもあった。事務局側は、次回の監視委員会では水環境だけでなく大気環境についてもさらなる審議を行うよう要望した。

 同滑走路は今年10月の供用開始に向けて建設工事が最終段階に入っている。現場が多摩川河口域に位置することから全長3,210メートルの約3分の1は桟橋式にするほか、施工においても河川と東京湾の水環境や大気環境に与える影響を極力回避する方法を採用する。「今後も継続して環境監視を徹底し結果を定期的に環境監視委員会に諮るとともに、学識経験者らの意見を踏まえて工事を進めていく」(同整備事務所)。

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