横浜市は2月下旬、今年10月の羽田空港(大田区羽田空港3)の国際化に伴う同市への経済波及効果は年間で約191億円に及び、訪日外国人の来街者は約34万人増加する見込みだと発表した。
同市によると来訪外国人は年間で合計34万人増加し、その約70%にあたる23万人は中国・台湾・韓国などの東アジア圏からになるという。現在の来訪者数・年間約70万人(2008年度の旅客動態調査)と比較すると、国際化後には総人数が約1.5倍の100万人以上に達する計算になる。
同空港から海外へ渡航する横浜市民は年間で約26万人増加すると推計された。来訪者によるものと合わせた関連消費によって、市内の宿泊・輸送・娯楽(飲食)の各サービス分野への経済波及効果は年間で約191億円増加し、雇用誘発者数は約1,700人に及ぶ見込みだという。
同推計は大和総研(江東区)への委託調査によるもの。国際化で新たに開設される1日あたり62便の国際線の乗客数や国別の旅客数、その中での横浜を訪れる外国人の比率などを過去の実績値を基に算出した。推定結果について同市は「(羽田国際化で)ヨコハマと世界が近くなる。市内への外国人観光客の増加だけではなく、ビジネスやコンベンション誘致などにも非常に大きな効果が期待できる」とコメントしている。
羽田国際化では多摩川を挟んだ対岸の川崎市でも動きが活発で、同空港の「神奈川口構想」の一環として、同市が中核施設となる環境技術やライフサイエンス分野の先端技術の研究機関を川崎区殿町に整備する計画を進めていることが2月初旬に報じられた。