今年10月の供用開始に向けて羽田空港沖の海上で進められているD滑走路(2,500メートル)建設工事で、桟橋部の滑走路や着陸帯などの床版敷設と表面の塗装工事が急ピッチで進んでいる。
全長3,210メートルの滑走路島の約3分の1は多摩川河口域への水流を妨げないよう桟橋構造となっている。「桟橋部」の海中の土台となる「ジャケット」全198基は1月末に設置が完了しており、現在、ジャケット上での床版の敷設工事が行われている。
工事を担当する共同事業体の中心企業・鹿島によると、外周部の着陸帯には国内最先端の「超高強度繊維補強コンクリート」を使用した床版を使用する。一般のコンクリートの床版に比べ力学的性能が高い分、薄くすることが可能で重量も約半分になり、塩害に対する抵抗性も高いという。敷設工事は5月までに完了する予定。
表面のアスファルト舗装工事も昨年末より、設置済みの床版上で順次進められており、同空港を離発着する航空機の窓からも滑走路完成時の姿の一部である黒い舗装済みエリアを目視できる。東京空港整備事務所によると桟橋部全体の舗装面積は合計約15万7千坪で、東京ディズニーランドとほぼ同じ広さになるという。
羽田空港の発着能力拡大・国際化を担う中核的な設備となる新滑走路の建設工事は、完成に向けて24時間態勢で進められている。