2010年10月の供用開始を目指し建設が進む羽田空港D滑走路(2,500メートル)の「埋立部」と「桟橋部」が9月末、第1号の「渡りけた」によって初めて接続された。
D滑走路は同空港の4本目の滑走路で、再拡張・国際化事業の中核を担う設備の一つ。現空港の沖合約620メートルの東京湾上に建設されるが、多摩川河口域の環境への影響を低減するため、全長の約3分の1が桟橋形式となる。
これまで桟橋部と埋立部は別々に工事が進められてきたが、供用開始を約1年後に控えた先月、初めて両部が「渡りけた」によってつながり海上滑走路として「一体化」した。その後も引き続き、けたの架設作業が進められており、今月22日までに全273本中10本のけたの架設が完了している。同けたはフレキャストコンクリート製で、一つの大きさが長さ15メートル・幅1.5メートル。すべてのけたの架設後には、幅430メートルの接続部を横断するかたちで鋼線を挿入。渡りけた部分を一体化し、両部の「接続」を完了する。
現空港島と桟橋部を結ぶ「北側場周道路橋」の架設はすでに完了していることから、今回の両部の接続で、空港島から埋立部への陸上アクセスが可能になった。
工事を管理する東京空港整備事務所(国土交通省関東地方整備局)によると、今後引き続き接続部護岸近傍の桟橋部ジャケット(橋脚土台)の据え付けや接続部への「伸縮装置」の設置工事などを行うという。同工事は24時間365日、昼夜連続施工で進められている。