大森海苔のふるさと館(大田区平和の森公園2)で8月15日・16日、ワークショップ「大森海苔(ノリ)劇場」が開催された。
市民活動グループ「ミュージアム・シアター・ワークショップ(MTW)」が主催した来館者参加型の教育イベントで、参加者に展示を見るだけでなく館内にいる人たちとのコミュニケーションの中から新たな発見をしてもらおうというもの。
同館は、大森地域の伝統産業である海苔養殖の歴史や生産技術を継承し、海苔と海辺に関する情報を発信するする区立博物館。国の重要文化財に指定されている全長13メートルの海苔船や海苔つけ場のジオラマの展示スペース、ライブラリー、体験学習室がある。
ワークショップは、地域住民に地元の博物館・美術館をより身近に感じてもらおうとさまざまな活動を行うMTWが、「海苔づくり」をテーマにしたオリジナルの内容を準備した。各日、「世代間の記憶をつなぐ即興パフォーマンス」と「現代の海苔~私たちのくらしと海苔をつなぐストーリー」の2つのプログラムを実施。初日の初回プログラムには近隣の親子連れら約40人が参加し、館内に常設されている「のりつけ小屋」の前で伝統的な海苔づくりの道具にちなんだゲームやキーワードから連想する即興ストーリーづくりの企画を楽しんだ。
参加者の60歳代の男性は、小学生らが積極的にプログラムに参加する様子を見ながら「海苔は大森の文化。このように伝統を若い世代に楽しく伝えていくことは大切なこと」と目を細めていた。
同イベントは今回が初めての開催。同館では今後も同様の住民参加型のイベントを企画していきたいという。