蒲南茶荘(大田区東蒲田2、TEL 03-3731-5555)は現在、専門家による日本茶の品評・審査方法を体験できるオリジナル企画を、希望者を対象に随時実施している。
同企画は、日本茶のプロが品質を審査する「拝見(はいけん)」と呼ばれる一連の手順を一般に体験してもらい、茶葉や入れ方によってその特徴や味にさまざまな違いがあることを知ってもらうのが目的。体験を終えた後は、「日本茶の『違い』が分かるようになる」(同社)。
専門家が「拝見」で茶を品評する際には、あえて熱湯を注ぎ「悪い部分を洗い出す」という。急須では全く同じ条件でお茶を出すのが難しいため、「拝見茶わん」という茶わんに直接お湯を注ぐ。体験企画でも、同社オリジナルの「紫宝」(やぶきた)・市販品(やぶきた)・市販品(ゆたかみどり)の3種類の深蒸し茶を同様の手法で比較する。
最初に「拝見盆」上でそれぞれの茶葉の「色合いや形」(形状・色沢)を比べ、次に3グラムの茶葉を入れた「拝見茶わん」に熱湯を注ぎ、それぞれの茶の「色合い」(水色)を見る。さらに、ネットスプーンを使って「香り」(香気)をかぎ、続いてスプーンと湯のみで「味」(滋味)を確かめる。さらに、同じ茶葉の1煎目と2煎目の違いや、温度の違うお湯を使っての香りや味も比較する。
今年5月から同社のホームページでのみ希望者を募集しているが、現在までに約10組が参加した。今月29日には品川区在住の家族と親せきのグループが体験。初めて参加した小・中学生らを中心に熱心に「拝見」を体験し、種類や条件によってさまざまな違いを見せる茶の形状・色・香り・味などに見入った。「普段からお茶はよく飲む。この体験で日本茶についてさらによく知ることができた」(参加者)。
拝見体験を手ほどきする同社の鈴木和貴さんは「お茶は嗜好(しこう)品なのでどれがいいかというのは人それぞれ。毎日飲む大切なお茶だからこそその違いの意味を知ってもらいたい」と話す。
参加希望は同社ホームページにあるブログで受け付けている。参加無料。所要時間は30分~90分(人数などによって異なる)。