市民と企業が取り組む現代アートによる街づくり「多摩川アートラインプロジェクト」のイベント「アートラインウィーク2008」が11月1日、大田区・多摩川下流エリアを走る東急多摩川線の車内・駅・沿線地域を舞台に始まり、連日多くの人たちが芸術を楽しんでいる。
今年で2回目となる同イベントのテーマは「グローバルとローカルの共存」。グラフィックデザイナーの浅葉克己さん・環境彫刻家の関根伸夫さんら日・中・韓の作家22組が、蒲田~多摩川間の各駅構内や沿線の公園・神社・羽田空港旅客ターミナルなどで作品を一般に披露する。
演劇パフォーマンス「多摩川劇場」は2日・3日、蒲田駅14時発の貸し切り回送電車内で上演された。3両編成の各車両を舞台に蒲田駅から多摩川駅までの約10分、日常の身体と言葉をキーワードにした異なる物語を、乗客や窓から見える風景も劇中の一部として巻き込みながら進める内容。各回定員の約150人の乗客が電車に揺られながら柴幸男さん・中野成樹さん・山下残さんらが演出する芝居に見入った。パフォーマンスアートディレクターの岡崎松恵さんは「子ども連れの家族など劇場にあまり足を運ばない方々に乗車いただき、普段見過ごしている街の姿を再認識する機会にしてもらえた。舞台芸術により街の動きや地域の潜在能力をあぶり出すことができた」と話す。
開催は今月9日まで。一部の作品はイベント終了後もそのまま設置される。各作品の設置場所などの詳細は、同プロジェクトのホームページまたは多摩川駅構内のインフォメーションセンターで確認できる。