ANAは2月17日、羽田空港と米海兵隊岩国基地(岩国飛行場、山口県岩国市)を結ぶ新路線を開設すると表明した。
同社役員が山口県庁を訪れ二井関成県知事と福田良彦岩国市長に正式に伝えたもので、2012年度の同基地の民間利用再開後に1日4往復の就航を目指す。機種および運航スケジュールなどの詳細は市場の需要や利便性などを見て今後、順次調整していく。
岩国基地には1964(昭和39)年以降民間航空会社の定期便就航はなかったが、日米両政府が2005年、同基地から1日4往復の民間機運航を認めることで合意。その後も共用化に向けての動きが進み昨年2月、政府が民間利用再開の方針を正式発表した。
ANAの正式表明を受けて県は「(定期便就航の正式表明は)民空再開に向け、大きな弾みとなる」(二井知事)と、岩国市は「(民間利用再開・羽田定期便就航への)県と市と長年の取り組みが大きく前進した」とそれぞれコメントしている。今後はターミナルビル管理運営会社の設立の準備などを進めていくという。
国内の米軍基地を民間利用する「軍民共用空港」は三沢空港(青森県三沢市)に続く国内2カ所目。ANAが同種の空港に定期便を就航するのは新路線が初めてとなる。