東邦大学(大田区大森西4)医学部看護学科の「ベッドまわりのサインづくり研究会」が開発・提案した「いのちを見守るコミュニケーションデザイン」のピクトグラムが、第43回SDA賞の「サインデザイン最優秀賞」(E類研究・開発・実験サイン部門)を受賞した。
同研究会は病院建築・人間工学・環境グラフィックデザインなどに携わるメンバーで構成し、同学科の横井郁子教授が代表を務める。患者へのまなざしや声かけが「わたしは見守られている」という実感を生みそれが病と対峙(たいじ)する力になり、また医療者・関係者が患者の支援者になることで療養生活の安全と安心が提供できるとの考えから、患者に関心を寄せ「命を見守る」きっかけとして「医療看護支援ピクトグラム」23アイテムを開発した。
応募総数245点の作品の中から大賞に次ぐ最優秀賞に選ばれたピクトグラムは「支援を円滑にするコミュニケーションツール」として、病院に集うすべての人を患者の「見守り人」にすることを目指すもの。サインにはベッドの背もたれの角度を示すものやリハビリ運動の様子を示すものがあり、患者のベッドサイドなどに掲げて使用する。「ベッドに横たわる患者が治療しながらできるだけいつもと同じ生活を送れるよう、そこに集まる人たち全員が何らかの支援をしたくなる」(同研究会)デザインなのだという。
同デザイン開発の取り組みは2007年11月、医療の質・安全学会第2回学術集会で「ベストプラクティス賞最優秀賞」も受賞している。