昭和のくらし博物館(大田区南久が原2、TEL 03-3750-1808)は4月25日、下丸子駅前の大田区民プラザで開館10周年の記念イベントを開催した。
同館は、昭和26年に建てられた民家1軒をそのまま公開する全国でも珍しい博物館。昭和20~30年代の暮らしぶりを伝える家財道具を四季に合わせて展示するほか、企画展やゲストを招いた講座、館庭でのイベントなどを通年で催す。1999年の開館後よりメディアにも注目され、その後の「昭和30年代ブーム」の口火を切ったとされている。現在の年間来館者数は約4千人。戦後の東京郊外の庶民住宅の姿を残すことから、2002年に国の登録有形文化財の指定を受けた。
開館10周年のイベントには事前に申し込んだ約140人が参加。第1部では、博物館の10年の活動を紹介した後、写真とトークで昭和30年代の都内ツアーを再現する「夢のはとバスツアー」(友の会シルエットクラブ)を上演した。第2部では、同館の建物にかつて住んでいた小泉家の主婦・スズさんの家事の様子を詳細に撮影した映画「家事の記録」を初公開。併せて小泉和子館長と映画監督・時枝俊江さんらがトークを披露した。
小泉館長と同館学芸員は「(昭和の文化を伝える)博物館は現代の暮らしを考え直すきっかけになる点でも意味はある。これからも全国無二の博物館としてあり続けていきたい」とコメントしている。
開館時間は10時~17時。休館は毎週月曜・火曜・9月上旬・年末年始。入館料は、大人=500円、小中高生=300円。