神奈川県は4月14日、羽田~成田の両空港を15分で結ぶリニアモーターカー構想の詳細を公表した。
松沢成文知事が同日の定例記者会見で発表した「成田~羽田超高速鉄道整備構想」の調査結果で、首都圏空港の機能強化に向けた「両空港の一体的運用」と首都圏の空港アクセスの向上を目指すリニアモーターカー建設を、国や民間企業に提案する内容。
計画によるとルートは羽田~成田間に続き、羽田~横浜間・東京湾臨海部~さいたま新都心間、さらに米軍横田飛行場の軍民共用化を想定した新宿~横田間の各路線を段階的に建設する。両空港間は時速約300キロで走行し、約15分で結ぶ。現在の鉄道サービスより所要時間を75分以上短縮できるという。工法は大深度地下のシールドトンネルとし、物流機能も備える。首都圏の超高速鉄道として、観光産業の活性化や環境への影響の改善、さらに約17万人の雇用創出も図れるとしている。
試算では建設費は1兆3,000億円で、経済波及効果は2兆9,000億円。県は莫大な事業費や事業主体の問題など課題も少なくないが、構想の実現に向けた取組みを進める意向。リニア構想は森田健作千葉県知事の公約でもあり、神奈川・千葉の両県は今月7日に合同研究会の設置に合意している。