羽田空港の新管制塔の建設工事が順調に進み3月初旬までに、外壁に取り付けられていた多くの工事用の足場や頭頂部に設置されていたクレーン機が撤去された。
現在、構造体・外装の工事はほぼ終了しており、外壁の足場は塔の北側側面に一部を残すだけとなった。これまで膨大な量の建築資材を空中に引き上げた頭頂部のクレーン機は2月末、その役目を終え地上に降ろされた。白いタイルとガラス張りの窓に覆われた塔は、完成時の姿に限りなく近づいている。
工事は今後、内装や電気系統などを中心に進め、完工を6月15日に予定する。その後に管制卓など機器の搬入・設置を進め、年末までに新しい環境での機器の操作や業務フローの慣熟作業を行うという。新管制塔は2010年10月のD滑走路・新国際線ターミナルなどの完成に先立ち、同年初頭に供用を開始する予定。
同塔は高さが約116メートル。日本で初めて100メートルを超える管制塔で、世界でも3番目の高さを誇る。VFRルーム(管制室)などが置かれる上部フロアは360度全方向がガラス窓で覆われるなど、再拡張後の広大な同空港の地上と空域を確実に目視できる設計になっている。また、制震・免震においても最新の技術が導入されている。