お台場の日本科学未来館(江東区青海2)で3月10日、企画展「世界の終わりのものがたり」が始まった。
展示は普段あまり意識することのない物事の「終わり」について考えることができる内容。会場には「終わり」をさまざまな観点から捉えた「問い」が次々に現れ、来場者は回答へのヒントとなる科学トピックを見ながら問いについて自己対話をしたり、友人や家族と語り合ったり、他の人の回答をのぞきこんだりする。73の「問い」に答え終えると自分にとって大切なことが、はっきりと立ち現れてくるという趣向。
キービジュアルは雑誌などで活躍するイラストレーター・タイマタカシさんが書き下ろした。タイマさんの考える「世界の終わりのものがたり」が、ポップで鮮やか、かつ懐かしさを感じるタッチで表現されている。
同館が主催・企画・制作する同展。「震災から1年を経た今春、『終わり』という必然を踏まえたうえで、何を大切に生きていくべきか、科学技術とどう付き合っていくかといった問題をあらためて考え、一人ひとりが自分なりの答えを持つべきでは」と考え、これらの本質的な問題に正面から向き合う機会として同展開催を決めたという。「この展覧会で、『終わり』から始まる新たな希望の物語が生まれることを願う」と担当者。
併せて、特設ウェブサイトも開設している。科学・文学・ビジネスなど多様な分野で活躍する著名人による「終わり」観を公開しており、ユーザーがコメントを投稿することもできる。
開館時間は10時~17時。火曜休館(3月20日・27日、4月3日は開館)。入場料は、大人=1,000円、18歳以下=300円。常設展示も観覧できる。6月11日まで。