羽田空港第1ターミナル(大田区羽田空港3)のリニューアル工事が11月16日、完了する。
同ターミナルビルを管理運営する日本空港ビルデングが今年2月から実施していた大規模改修工事。対象エリアは南北コンコース・ゲートラウンジシ・出発ロビー ・展望デッキなどの計1万6,800坪
リニューアルでは「同空港の3つの旅客ターミナル間のサービルレベルの平準化」「経年劣化対策」「省エネ対策」の3つを重点課題とした。環境演出についてはほかの旅客ターミナルとの相違を直感的に認識できるよう「シンプル・控えめでありながら自然と一体となり四季を感じ、利用者の五感に響く空間演出」という独自テーマを設定した。同内容は日本の伝統的かつ美しい空間に共通するもので、省エネ対策にもつながるという。
出発ロビーは天井・壁面・床タイルを更新し快適性を向上。天窓を大きくすることで、より多くの自然光の取り込みと省エネに配慮した空間演出を実現する。上部壁面には千住博さんの屏風(びょうぶ)絵「天空図屏風」とマイケル・ケンナさんによる日本を表現した写真を設置。「『日本の伝統』を感じながら『日本の旅』へのチェックインを演出する」(同社)。
ゲートラウンジと旅客コンコースは全域で天井照明と床カーペットを一新し、中央部に授乳室・多目的トイレ・喫煙室を設置。エリア内には9月、「東京の今」「日本の今」をコンセプトにした飲食店4店舗・物販店3店舗が「キャプテンズトーキョー」としてオープンしており、「『日本の空』へ飛び立つ高揚感を沸き立てる」(同)演出を展開する。
屋上エリアは全域にウッドデッキを導入し保安フェンスのワイヤ化を施したほか、6階南側には飲食店「SKY STATION」もオープンした。ターミナル最上部の「TOP OF HANEDA GULLIVER’S DECK(ガリバーズデッキ)」では利用者が滑走路と一体となるように感じる空間を演出。「日本の首都を目の前に眺めながら、心地よい風の中て『日本の空港』を体感できる」(同)。
同工事は通常のターミナル機能を確保したまま24時間体制で進められ、約9カ月半にわたった工事は無事故・無災害で完了した。同社では今後、到着エリアおよび鉄道アクセスへつながる地下エリアについてもリニューアル工事を検討し、ターミナルビル全体の一層のサービス向上に取り組んでいきたいとしている。