羽田空港と東京都心を結ぶリムジンバス(東京空港交通、中央区)に12月16日、水素を使った「燃料電池車両」が導入される。
経済産業省の「水素利用社会システム構築実証事業」のひとつである水素供給・利用技術研究組合(ハイサット)による「水素ハイウェイプロジェクト」の一環。
同プロジェクトは水素供給インフラ・燃料電池 自動車の本格普及に向けた実証事業で、参加企業がそれぞれ保有する水素の供給・利用に関する技術やノウハウを集結し、自動車メーカーの協力の下、事業化に向けた供給安定性・経済合理性・環境適合性などの検証を行っている。
今月15日、「羽田水素ステーション」(大田区京浜島)と「東京・杉並水素ステーション」がオープンし、国内で初めて燃料電池バスおよび燃料電池自動車の高速道路経由での定期運行が可能になることに合わせ、同16日より、リムジンバスが羽田空港~新宿駅西口線と羽田空港~東京シティエアターミナル線で燃料電池車両(トヨタ自動車・日野自動車製)をそれぞれ1日1往復運行する。
燃料電池自動車は、従前のエンジン搭載車に比べ高効率で、二酸化炭素の排出量を大きく低減することが可能な技術。空港アクセスバスへの導入について同組合は「一般ユーザーに燃料電池自動車を体験していただくとともに、水素供給インフラの社会的受容性と事業成立性を検証・解決し、水素供給事業の基盤確立に努めていく」としている。
2011年1月には「成田水素ステーション」も開設。都心~成田間のリムジンバスと、都心と両空港間のハイヤーサービスにも燃料電池車の導入を拡大していく予定。