羽田空港(大田区羽田空港3)第1旅客ターミナルで今月より、「エリア限定型ワンセグおよびマルチメディア放送技術」の実証実験が始まっている。
総務省が創設した「ユビキタス特区」の取り組みをベースにした「羽田空港旅客ターミナル地区・沿線におけるICT地域経済活性化事業」の一環。同ターミナルを管理運営する日本空港ビルデングが実験を統括し、同ターミナル内にある「Japan Air‐Terminal Broadcasting Project実験室」から限定サービスエリアに向け、携帯電話などのワンセグとマルチメディアサービスの対応端末で受信可能な試験電波を送信する。
「マルチメディアサービス」は、2011年からサービスの開始が予定されている「テレビでもなくラジオでもないまったく新しい放送技術」(同社)。空港における実験は今回が初めてで、ワンセグと同様に空港案内・フライトインフォメーション・観光情報などのコンテンツ提供を予定する。
サービスエリアと今後の電波送信時期は、同ターミナル南ウイング2階出発ロビー、マーケットプレイス(2階~6階)、2階出発ゲート9番10番付近が、10月21日・11月4日・11月18日の10時~16時。2階出発ゲート9番・10番付近が、10月28日・11月11日・11月25日の10時~16時。マーケットプレイス2階中央特設ブースでは各電波送信日時にデモンストレーションを行う。同ブースではマルチメディアサービスを受信できる実験用特殊端末機の貸し出しも行う。
実験計画によると同放送では今後、多言語での情報提供やインターネット回線との連動などの開発も進めていくという。将来的にはこれらの機能を用いた空港旅客ターミナル地区・沿線の地域活性化への有用性を検証し、インフラとしての展開を目指すとしている。
国内の空港では今年1月より、関西国際空港(大阪府泉佐野市)の旅客ターミナルビル内にてワンセグ放送の本サービスが始まっており、さまざまな観光情報や空港関連情報などを提供している。