羽田エクセルホテル東急(大田区羽田空港3)は10月8日、静岡の蔵元杜氏(とうじ)を招き、同地の地酒の魅力と酒造りへの取り組みを伝える「日本酒セミナー」を開催した。
同ホテルが企画する「日本酒の魅力」と「ものづくりの精神」を内外に発信する連続セミナーの第1回。ゲストスピーカーに静岡の地酒「喜久醉(きくよい)」(青島酒造、静岡県藤枝市)の青島孝さんと、「しずおか地酒研究会」主宰者で映像ドキュメンタリー「吟醸王国しずおか」監督の鈴木真弓さんを迎え、約30人の参加者が予定の時間を超える約2時間半にわたって日本酒の魅力を堪能した。
セミナーは特に日本酒の「通」間で人気と評価の高い静岡の地酒のあらましの説明に始まり、全国でも珍しい蔵元で杜氏を兼ねる青島さんの酒造りへの取り組みが語られた。続いて「吟醸王国しずおか」が上映され、参加者は映像で語られる伝統的で厳格な酒造りのプロセスや、家業の酒造りの仕事に就く以前はニューヨークの金融マンだったという青島さんの転身の背景などのストーリーに見入った。
テーブルでは同日本酒ブランドの「大吟醸」「純米大吟醸松下米40」など6種類の酒を、2人の解説と同ホテルの提供する食事とともに試飲した。参加者は静岡の地酒のファンや静岡に由縁のある人がほとんど。都内から参加したという男性の一人は「以前静岡に住んでいた際に、同地の地酒の魅力に出会った。一般にはまだ知られていない面もある静岡の酒の素晴らしさをもっと多くの人に体験してもらいたい」と話していた。
羽田空港ターミナルに隣接する同ホテルは2010年10月の同空港国際化に向け今後も、「日本の文化情報発信を羽田から」をテーマにした同様の企画を展開していくという。