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日本科学未来館で新常設展示「量子コンピュータ・ディスコ」「未読の宇宙」

新しい常設展示「量子コンピュータ・ディスコ」(写真提供=日本科学未来館)

新しい常設展示「量子コンピュータ・ディスコ」(写真提供=日本科学未来館)

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 日本科学未来館(江東区青海2)が4月23日、新しい2つの常設展示「量子コンピュータ・ディスコ」「未読の宇宙」の一般公開を始めた。併せて、2011(平成23)年に設置された常設展示「ジオ・スコープ」もリニューアルした。

新しい常設展示「未読の宇宙」

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 「量子コンピュータ・ディスコ」では、4つのゾーンに分け、量子力学、ハードウエアの研究や計算機の歴史、活用事例など、量子コンピューターにまつわる体験展示や映像などを展開する。ゾーン2の「ダンスフロア」では、アニメソングやゲーム音楽、クラシックなどのラインアップの中から好きな音楽をフロアに流すDJ体験から量子コンピューターの仕組みを学べる展示を用意。このほかのゾーンでは、各時代を象徴するコンピューターのレゴブロック模型や、計算中に発生するエラーを直すゲーム体験、量子コンピューターへの質問が100個入っている「量子コンピュータにコレできる? ガチャ」などさまざまなコンテンツを用意する。

 「量子コンピュータ・ディスコ」の調査・企画担当で科学コミュニケーターの前山凌雅さんは「難解な量子力学の基礎原理を、音楽を通じて直感的にイメージすることができる。キャッチーな雰囲気でありながらも、ここで学んだスキルは実際の量子コンピューターのプログラミングの際にも使える、まさに『本物』の体験」と話す。今後の展開については、「珍しいテーマの展示であるため、ここでしかできない科学コミュニケーションを模索している。皆さまに愛される展示になるよう、今後のアップデートにも注力していきたい」と意気込む。

 「未読の宇宙」では、メインエリアは360°のスクリーンで囲み、さまざまな波長の光で宇宙を捉える多波長観測、ニュートリノ観測、重力波の観測、加速器実験という先端研究に触れられる4つの体験装置を設置。スクリーンには、観測・実験装置のスケール感や、実際の実験データに基づいた映像を映し出す。来場者は、各体験装置でその分野の研究者の解説を聞きながら展示を操作でき、観測実験を疑似体験できるという。

 「未読の宇宙」の調査・企画担当で科学コミュニケーターの坂口香穂さんは「幅広い人々に宇宙研究の魅力を知ってもらえる展示とすることを目指した。理数分野が苦手な方にも、宇宙・素粒子分野の研究の魅力が少しでも伝わればうれしい」と話す。「直感的な体験でありながら、本物のデータや研究者に触れるという、宇宙研究のリアリティーを伝えられる展示空間になっている。展示を通して、ぜひ『宇宙に関わる自分の姿』を想像してみてほしい」と来館を呼びかける。

 ジオ・スコープは、世界各地の人口や電力消費量、世界の地震、渡り鳥の移動ルートなど、8つの最新データを追加し、体験画面や展示端末のデザインを一新。5台ある端末のうち1台は、データを音でも表現した「耳で楽しむモード」も搭載した。

 ジオ・スコープの調査・企画担当で科学コミュニケーターの安藤未来さんによると、使っているデータやコンテンツの表現が古くなってきていることや、画面の操作が分かりにくいといった課題を克服するため、今回のリニューアルに至ったという。今回の展示については、「分かりやすくデータに触れることを意識した。データの可視化に工夫を凝らしたことで、膨大な量の科学データであっても、これまで以上に直感的にアクセスすることができるようになったのでは」と話す。

 開館時間は10時~17時。火曜休館。入館料は、大人=630円、18歳以下=210円、未就学児無料。

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