東京湾の真ん中に、世界一の超高層ビルが建つという構想が現実味を帯びてきた。
「ネクスト東京」を報じた記事を自社FacebookページでシェアするKPF
米コンデナスト・パブリケーションズが発行する建築誌「アーキテクチュアル・ダイジェスト」が2月3日にオンラインメディアで伝えた記事によると、都市部の過密アクセスや地球温暖化、地震などの災害に向き合う日本の問題点を考慮した都市計画「ネクスト東京」の舞台として、東京ベイエリアに照準を定め、敷地面積約150~1500メートル規模の未来都市を建設するという。建築設計は、六本木ヒルズの建設でも知られる建築家デビッド・マローさんがプリンシパルを務める米コーン・ペダーセン・フォックス(KPF)。
「ネクスト東京」計画の中でも最も注目が集まるのが超高層ビル「スカイ・マイル・タワー」。交通アクセスの穏和を図るために、水平ではなく垂直に暮らす生活設計を施し、ショッピングセンターやレストラン、ホテル、ジム、図書館、病院などの施設を設け、5万5000人の居住者を迎え入れる計画。完成すれば約1600メートルの高さで、超高層ビルとしては現在世界一の高さを誇るドバイのブルジュ・ハリファ(828メートル)の約2倍、日本で最も高いあべのハルカス(大阪市阿倍野区、300メートル)の約5倍以上となる。
2015年に「NHKスペシャル」で「ネクスト東京」計画が紹介された際、マローさんは「東京はさまざまなものが集約され、効率的だがもっと集約させれば劇的に変わる可能性がある。実現のカギとなるのが超高層建築」とコメント。台形の形を組み合わせる特殊な構造で、強い風を凌(しの)ぎ、光あふれる居住空間をつくるという。
高層ビルに関する国際NPOの高層ビル・都市居住協議会(CTBUH)も、2月1日に配信したニュース記事で東京湾の海水をくみ上げて居住者に供給するシステムなど、水都らしい暮らしの設計を紹介した。ソーラーパネルや風力タービン、藻類による自家発電システムも採用し、コミュニティーへ供給する。完成予定は2045年。