羽田空港と都心を結ぶ東京モノレール（港区）は4月末、同鉄道の開業時に制作された「東京モノレールの歌」など2楽曲を復刻しネット上で公開した。

　タイトルは「東京モノレールの歌」と「恋のジェット航路」で、共に1966（昭和41）年の開業直後に同社サービスをPRしようと制作された。当時の薄い塩化ビニール製のレコード「ソノシート（フォノシート、シートレコード）」がそのまま社内に保管されていたが、今年の開業50周年に合わせ、当時の記録映像素材などと組み合わせてビデオで復刻した。

　復刻された「東京モノレールの歌」は長さが2分32分で、歌詞には「月の世界に旅立つような　愉快爽快　東京モノレール」など米ソが宇宙開発を進めた当時の世相を反映するもの。加えて、「羽田東京15分」と都心からは羽田空港までの所要時間をアピールする言葉が繰り返される。同社の社史などの記録には、開業前後の都心から羽田空港までの道路は深刻な渋滞が頻繁に起き、所要時間が1時間を超えることも多かったという。「恋のジェット航路」は約3分。「ムード歌謡」風の楽曲で、同様にモノレールの運行スピードの速さをPRする。共に「昭和の香り」がひしひしと伝わる作品に仕上がっている。

　同社では開業50周年を記念した特設サイトをオープンし、「東京モノレールの建設から開業まで」などの映像作品も公開している。映像素材は当時、社外向けのPR素材として制作したもので、長らく人目に触れることなく社内の倉庫に保管されていたが、開業50周年を機に、「過去の貴重な映像」として一般公開を決めたという。

　楽曲とビデオは同社ホームページほか、ユーチューブの同社公式チャンネルでも閲覧できる。