JALは羽田空港内の訓練施設で10月12~13日、空港グランドスタッフ(GS)の接客サービスの1位を決める「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」を開催した。
審査を見守る参加者と訓練のインストラクターら(みんなの空港新聞フォトフラッシュ)
国内の空港グランドスタッフを対象に、アナウンスやカウンターチェックインの技術と質を競うもので、今年2月に続く2回目の実施。8月より全国で地区予選が行われ、各エリアから選ばれた38空港48人が参加した。開催2日間の初日は予選、2日目が本選で、アナウンス審査では参加者はフライトのイレギュラー(遅延・欠航など)の状況を設定。10分で文章を制作し、実際にアナウンスを行った。カウンターチェックイン審査では訓練施設の模擬カウンターで、事前に知らされていない「台風の影響によるフライト出発の3時間遅延」などの状況での旅客対応が、参加者と各空港から駆けつけた応援団らの前で披露された。
審査基準は身だしなみなどの基本的な項目、立ち振舞などの印象、サービススキル全般を評価。審査員にはJALの各部門の責任者に加え、帝国ホテル、オリエンタルランド、アメリカン航空などのサービス部門の上級役員らも加わった。
優勝は福岡空港勤務で入社6年目の片山佳恵さんが勝ち取った。準優勝は羽田空港の西田百合香さんと、長崎空港の堀口梨菜さんが選ばれた。片山さんは受賞に際し「これまで毎日仕事で積み重ねてきたことが無駄ではなかったと、改めて自分自身でも思うことができた。これからも自分が接したお客様は必ず笑顔で出発する、と言われるような接客を目指したい」とコメントした。
JALは2012年より国内外の空港で勤務する計約4500人の全グランドスタッフを対象に、サービスレベルを向上させるためのスキル向上のトレーニングを実地。空港サービスの評価において「世界一」を目指すとしている。同社執行役員で空港本部長の丸川潔さんはコンテストを終えて「空港サービスのレベルにおいては熟練度はまだまだ行き届いておらず、道半ば。最終的に選択するのはお客様であり、選ばれることはゴールではあるが、サービスの質の向上には終わりはなく、この先もずっと続いていく」と全社的な取り組みへの意欲を語った。
前回と今回のコンテストの本選出場者各10人には、GSの模範となる高いサービス技術を認めるアルメニアの花をモチーフにした銀バッチが贈られ、今後、各空港での勤務時に制服に着用する。(取材協力=みんなの空港新聞)