東京ビッグサイト(東京国際展示場、江東区有明3)で1月19日、1190人が参加する「普通救命講習会」が開催された。
1190人参加の「東京マラソン」救命講習会にゲストで登場した蝶野正洋さん
東京マラソン財団・東京防災救急協会・東京都医師会が東京消防庁と東京都福祉保健局の支援を得て共催した東京マラソン関連イベントで、救命の知識を広く一般に広め、東京マラソンでのランナーの深刻な事故を防ごうとするのが目的。救急・消防の電話番号「119番」と実施日にちなみ、事前に応募した今年の東京マラソンランナーとボランティアら1190人がイベント会場のホールに集合。東京消防庁の救命救急士のOB・OGが務める講師の下、グループごとに心肺蘇生・AEDの実技、気道異物除去、止血法などを学び、実際のマラソンレースでの救命の手順を参加者がシミュレートする「シナリオトレーニング」も行われた。
会場にはプロレスラーで救命救急活動やAIDS予防啓発活動にも注力する蝶野正洋さんがゲストで登場。参加者らに一般による救命救急活動の重要性を訴え、講習の実技者に励ましの声を掛けた。蝶野さんが救命救急活動に取り組みだしたのは、同じプロレスラーの三沢光晴さんがリング上の事故で亡くなったことで「アスリートとして応急手当を知っておくべき」と考え、自ら救命講習を受講したことと、東日本大震災の際にレスキュー隊らの救命救急士の重要性を実感したからだという。
講習終了後に「救命技能認定証」を受け取った都内文京区の40代の男性は「実技を通して救命の知識を身に付けることができた。今年は(抽選に外れ)東京マラソンには参加しないが、今後、万一の場合に技能を生かせそうだ」と話していた。
3万6000人が出走する日本最大のシティマラソン「東京マラソン」は、過去6会の開催でランナーの死亡事故が起きておらず、「世界一安全・安心な大会」とされている。「ランナー自身や市民が救命救急の知識と経験を持つことは社会のインフラ。それによりマラソン大会もさらに楽しく安全になる」(救命救急士OGの講師)。
「東京マラソン2013」は東京ビッグサイト付近をゴールに2月24日に開催される。