大田区の町工場が制作、「下町のボブスレー」公開-国際工作機見本市で

海外のイベント参加者の注目も集める、大田区の町工場有志が制作した「下町ボブスレー」一号機。

海外のイベント参加者の注目も集める、大田区の町工場有志が制作した「下町ボブスレー」一号機。

  • 0

  •  

 東京ビッグサイトで開催中の「日本国際工作機械見本市」で11月1日、大田区の町工場の有志が開発に挑む「下町のボブスレー」の1号機が公開された。

[広告]

 国内では製造されていないボブスレーの「ソリ」を、町工場の高いものづくりの技術を生かして独自開発するプロジェクト。「氷上のF1」と呼ばれるボブスレーは、欧米ではフェラーリやBMWなどの大企業が各国チームをバックアップする。国内では開発支援する大企業もない中、大田区の町工場の高度で多様な職人技を結集し、冬季五輪の日本代表ボブスレーチームを応援するのが目的。

 開発は2011年秋に開始。文字通りゼロの段階から研究と設計を開始し、これまでに約30社の工場が無償で部品加工などに協力した。各社が使い慣れた工作機械を駆使し、軽量なフレームと抵抗を極限まで減らしたブレードを開発。今月、1号機が完成した。ボディーはCFRP(炭素繊維強化プラスック)製で長さが約3.2メートル。最新の航空機の機体のような高精密な質感が職人技を感じさせる仕上がりになっている。

 展示会場のブースでは開発に参加する職人らの「ここまでの過程は普段の仕事通り。この先の(誰も経験のない)試験走行でどのような結果になるかが勝負で、楽しみ」などの意欲的なコメントも伝えられた。

 同見本市は製造業で使われる最先端製品と技術を発表する国際展示会。世界最大規模の計800社以上が出展し、全世界から12万人以上が来場する。アメリカから訪れたメーカーの男性は「日本の工作機械と技術が優れていることは疑いがない。ボブスレーのプロジェクトはとても興味深く、日本でしか作れないこれまでにないソリが完成するのでは」と話していた。

 開催時間は9時~17時。入場料3,000円(当日)。学生無料。今月6日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース