お台場の日本科学未来館(江東区青海2)で7月21日、ジャーナリストの津田大介さんらを招いたシンポジウム「言葉の未来-声としてのことばの力を探る」が開催された。
同館の10周年を機にスタートした「つながりプロジェクト」の一環。シンポジウムを「知のバトンリレー」としてシリーズ開催し、人類の「総合知」としての科学の役割を深め、分野・世代を横断した知性の交流の場を作ることを目指している。
本年度第1回となる今回は、第1部は「問題提起」と題し、人類学者の川田順造さんがアフリカでのフィールドワークで検証した現地の「言葉」について講演。実際のアフリカの映像や音声を紹介して、闇の中でのコミュニケーションや言葉の力などについて話した。第2部は川田さんに詩人の佐々木幹郎さんとジャーナリストの津田大介さんが加わり、世代を超えたディスカッション「クロストーク」を展開。話題は言葉の役割、新旧さまざまなメディアと言葉の関わり、ツイッターなどのソーシャルメディアを介した現代とこれからのコミュニケーションの在り方にも及んだ。最後は川田さんが言葉の持つ可能性と未来について、「『言葉』は人が長い間繰り返し発してきたもの。これからもそれをさらに自分の言葉で表現し直す努力を続けていきたい」と締めくくった。
会場となった同館1階の「シンボルゾーン」の会場には定員に近い約250人が詰め掛け、熱心に聞き入った。シンポジウムの内容はUstreamでもネットライブ中継された。同館では同シリーズを今後も開催予定で、詳細が決まり次第概要を発表し、参加者を募る。